「水耕栽培は土を使わないから、たくさん種をまいても大丈夫!」と思っていませんか? 実は、完全室内・LEDライト環境で育てる場合でも、「間引き」をしないと失敗の原因になってしまうことがあります。
私も最初のころは「もったいないから全部育てたい」と思い、間引きをせずに挑戦しましたが、結果的にヒョロヒョロになったり、根が絡んで枯れてしまったりと失敗が続きました。
この記事では、なぜ水耕栽培でも間引きが必要なのか・間引きの正しい方法・実体験から学んだコツを初心者向けにわかりやすく解説します。 これから水耕栽培を始める方、失敗を減らしたい方はぜひ参考にしてください。
水耕栽培でも「間引き」が必要な理由

1. 根が狭い場所で競争する
水耕栽培では、根が液体肥料の中で自由に広がると思われがちですが、実際には栽培容器やスポンジのスペースは限られています。 複数の株が密集すると根が絡まり、栄養や酸素を取り合ってしまい、どの株も十分に育たない状態になります。
「根が茶色くなったり枯れてしまう“根腐れ”については、こちらで詳しく解説しています
▶︎ 根っこが腐る?水耕栽培で注意すべき根腐れの原因と対策」
2. 光の奪い合いで徒長する
LEDライトを使っても、光は株の数が増えるほど分散してしまいます。特にベビーリーフや葉物野菜では、光を十分に浴びられない株がヒョロヒョロに徒長したり、黄化して枯れやすくなるのです。
「徒長の詳しい原因と防ぎ方はこちらで解説しています
▶︎ 知らないと損!室内栽培で野菜が徒長する原因と対策」
光量不足も徒長の大きな原因。
▶︎ 室内栽培ルクスの基本ガイドも参考にしてください
3. 病気やカビが発生しやすい
密集状態では風通しが悪く、蒸れやすいためカビや病気のリスクが高まるのも問題です。 水耕栽培は清潔な環境だからこそ、「株数を整理すること」で健康に育てられます。
間引きをしないとどうなる?初心者が陥りやすい失敗例

- 徒長したミニトマト
光不足で茎が細く長く伸びてしまい、実がつきにくい。 - 根が絡まって手遅れに
移植しようとしても根が絡まり合い、1株を残して他を抜くことが不可能に。 - 小さい株がカビて枯れる
葉物野菜では、大きな株の陰になった小株が萎れ、最終的にカビてしまう。
こうした失敗を避けるためにも、早めの間引きがカギになります。
初心者でもできる!水耕栽培の間引き方法
スポンジ培地の場合

- 発芽して2〜3本の芽が出たら、ハサミで根元をカットして1本に絞る
- 「引き抜く」のは根を傷めるのでNG
- 余裕があるときは、スポンジに切り込みを入れて種を等間隔でまくと間引きが減る
※ただし、発芽しない種もあるため隙間が空きすぎるリスクもあり
ハイドロボール・バーミキュライトの場合

- 水をたっぷり含ませてから株を優しく引き抜き、別の容器に移植できる
- レタスやサンチュなどは、この方法で株間を広げると大きく育ち、収穫量もアップ
実もの野菜の場合(ミニトマト・きゅうりなど)
- 最初は多めにまき、丈夫そうな株を残して他は間引く
- 病気に弱い株もあるので、将来を見越して選定する
間引きのタイミングは「本葉が1〜2枚出たころ」が目安。
間引きは一度で絶対に済ませないといけないわけではないので、生育に合わせて隣同士がぶつかってしまうようなら、また間引きします。
葉野菜なら間引きしたものも、食べられるので無駄がなくて良いですよね。
実体験から学んだこと

ベビーリーフの失敗と成功
間引きをしなかったベビーリーフは、大きな株の陰になった小さい株が萎れてカビてしまいました。 そこで、発芽後にハサミで間引くようにしたら、元気な株だけが残って均等に育つようになりました。
また、スポンジに切り込みを入れて最初から間隔を広げる方法も試しました。 間引きの手間は減りましたが、発芽しない部分がスカスカになることも。サンチュなど大きく育てたい野菜では便利ですが、幅を取らないタイプだとスペースがもったいない感じになるので注意が必要です。
移植で収穫量が増えた話
バーミキュライトにまいたチマサンチュやレタスは、間引き株を別の容器に移植して株間を広げました。 その結果、どの株も大きく育ち、収穫量が倍近くに増えた経験があります。
外葉から収穫していくので長く楽しむこともできましたよ。
実もの野菜の教訓
矮性ミニトマトのマンマミーアは苗を購入して育てましたが、種から育てたミニトマトでは、間引きをせずに育てた株が病気で枯れ、必要な株数を確保できなかったことがあります。 やはり、多めにまいて丈夫な株を選ぶのが安心だと実感しました。
「実もの野菜、とくにミニトマトは根腐れや病気の影響を受けやすいので、こちらの記事も参考にしてください
▶︎ ミニトマトの根が茶色い?根腐れの原因と対策」
間引き後のケアも大切

間引きは「捨てる作業」ではなく、健康な株を残して大きく育てるための準備。その後の管理を意識することで、失敗をぐっと減らせます。
まとめ:間引きは「未来の収穫を増やすための選択」

- 水耕栽培でも間引きは必須
- スポンジはハサミでカット、ハイドロ系は移植が可能
- 多めにまいて、丈夫な株を選んで残すのが安心
- 間引き後のケアで失敗を防げる
「せっかく芽が出たのに、もったいない…」と感じるかもしれませんが、間引きは未来の収穫を守る大切な作業です。
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