室内LED水耕栽培は、天候や季節に左右されず、リビングやキッチンの一角で手軽に野菜を育てられるのが大きな魅力です。 ただし「葉物野菜」と「実物野菜」では、成長スピードや管理のポイントが大きく違います。
この記事では、初心者の方が迷わずに育てられるように「葉物編」と「実物編」に分けてスケジュールとコツをまとめました。 さらに、栽培を長く楽しむ工夫や関連記事へのリンクも紹介します。
▶︎初めての方はまずこちら → 水耕栽培の始め方完全ガイド
葉物野菜編(ベビーリーフ・レタス・小松菜など)

スケジュール概要(室内LEDで育てる場合)
ステップ | 期間の目安 | コツ |
---|---|---|
発芽 | 2〜5日 | LEDは株上10cm以内、容器温度20〜25℃ |
苗育成 | 1〜2週間 | 薄めの液肥(EC 0.5〜0.8)から開始 |
葉数増加 | 1〜2週間 | 光量5,000〜10,000ルクスを確保 |
収穫 | 25〜40日 | 外葉収穫で株を長持ち |
▶︎私がベビーリーフを育てた時の実際の記録もあります。
栽培スケジュールの参考に→【完全室内×LED】ベビーリーフ水耕栽培30日間の成長記録
各ステップのポイント

① 発芽
レタスやベビーリーフは「好光性種子」が多いため、まいた直後から薄く光を当てましょう。水温・室温は20〜25℃を保つと発芽率が安定します。
▶︎知らないと発芽しないかも!? 好光性と嫌光性の種の違い
② 苗育成
本葉が2〜3枚出たら養液に移行します。光が弱いとすぐ徒長を起こしやすいので、LEDは10cm前後に近づけて。
詳しい原因と対策はこちら ▶︎ 徒長の原因と防ぎ方
③ 葉数増加
液肥は徐々に濃く(EC 1.0〜1.2)調整し、液温は20〜24℃を意識。光をしっかり当てることで、肉厚でしっかりした葉に育ちます。
▶︎光量に迷ったときは → ベビーリーフからミニトマトまで!光量別おすすめ野菜まとめ
④ 収穫 外葉から少しずつ摘み取る「外葉収穫法」が長期収穫のコツ。さらに、2週間ごとに新しい種をまくリレー栽培を取り入れると、常に新鮮な葉を食卓に並べられます。
実物野菜編(ミニトマト・きゅうり・パプリカなど)

スケジュール概要(例:ミニトマトの場合)
ステップ | 期間の目安 | コツ |
---|---|---|
発芽 | 5〜10日 | 発芽温度20〜25℃、嫌光性 |
苗育成 | 2〜3週間 | LEDを株上10〜15cmに、EC 0.5〜0.8 |
成長期 | 3〜5週間 | 光量15,000ルクス以上、支柱でサポート |
開花・結実 | 2〜3週間 | 室内は人工受粉必須、温度20〜28℃ |
収穫 | 80〜100日 | 実全体が色づいたら完熟 |
各ステップのポイント

① 発芽
ミニトマトやきゅうりは嫌光性。芽が出るまでは光を遮断します。
発芽直後からは、LEDをしっかり当てましょう。
② 苗育成
徒長防止のため、株のすぐ近くから光を14〜16時間照射。
液肥はまだ薄め(EC 0.5〜0.8)。
▶︎ミニトマトの水耕栽培で失敗しないために!EC値管理のコツと注意点はこちら
③ 成長期
葉も茎も一気に大きくなる時期。光量は15,000ルクス以上が理想。
液肥はEC 1.2くらいで管理。
株が重くなる前に支柱を立てると管理がラクになります。
④ 開花・結実
室内では虫がいないため、ミニトマトは綿棒などで人工受粉を行います。
気温20〜28℃を保つと実つきが安定。
⑤ 収穫
最初の実は早めに収穫すると株の負担が軽減されます。
全体が均一に色づいたら食べごろです。
また、栽培中は根腐れのサインを意識して、液温や養液の管理をこまめに行いましょう。
▶︎根腐れの詳しい原因と防ぎ方はこちら
▶︎実物野菜の収穫期を伸ばしたいなら → ミニトマトの脇芽を使った“挿し芽栽培”で収穫を長く楽しむ方法
栽培期間を短縮&長く収穫する工夫

- 葉物はリレー栽培
2週間ごとに種まきをずらすと、常に収穫が楽しめます。 - 実物は脇芽の挿し芽活用
ミニトマトの脇芽を水挿しして苗にすると、2世代目を育てて収穫期間を延ばせます。 - 記録をつける習慣
光量・液温・収穫日数をメモしておくと、次回以降の改善に役立ちます。
トラブルを防ぐために

室内栽培は屋外より安定しやすいですが、それでも 徒長・根腐れ・藻・虫 などのトラブルは発生します。
虫の被害もゼロではありません。
▶︎ 室内栽培で発生しやすい虫と対策はこちら
困ったときは、こちらのまとめ記事も参考にしてください。
▶︎ 徒長・根腐れ・藻・虫をまとめて解決!室内栽培トラブル対策集
まとめ

室内LED水耕栽培では、葉物野菜は25〜40日、実物野菜は80〜100日と、収穫までの期間に大きな差があります。 ポイントは、光量・液肥・温度を適切に管理し、栽培サイクルを工夫すること。
初心者の方でもスケジュールを意識すれば、失敗を減らして長く収穫を楽しめます。 まずは葉物からスタートし、慣れてきたらミニトマトなど実物野菜に挑戦してみてください。 どちらも育てられるようになると、スーパーに買いに行かずにサラダが用意できるようになりますね。
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