完全室内で育てる!光量別おすすめ野菜と植物育成ライトの使い方ガイド【ルクス付き】

室内栽培の基礎知識

日当たりゼロでも野菜は育つ?完全室内でもOKな栽培方法とは

「室内に日差しが入らないから、野菜は育てられない」──そう思っていませんか?

実は今、LEDライトを使った完全室内で野菜栽培をしている人も増えています。
虫の心配も少なく、天候にも左右されずに育てられるので、虫嫌いな方や日当たりの悪い部屋でも安心して始められるんですよね。

でもそこで一つ、気になることが出てきます。

「どんな育成ライトを使えば良いの?」 「トマトもレタスも同じライトで育てられるの?」

…実は、野菜によって必要な光量は違うんです。

室内栽培で失敗しないために。知っておきたい「光の量」

光が弱いと、茎が細く伸びてヒョロヒョロに・・・

植物が光合成をするためには、「十分な明るさ=光量(ルクス/lux)」が必要です。
その明るさが足りないと、ひょろひょろに伸びてしまったり、実がならなかったり…。逆に光が強すぎても、葉焼けを起こすことがあります。

つまり、室内で野菜を育てるには、

  • 植物に合った光量を知る
  • 育成ライトの明るさを把握する
  • 光が届く位置(距離)を調整する

この3つが重要なんです。

光量を測るには、ルクスメーターの使用が一番確実です。
測定方法やおすすめ機種については、「室内栽培 ルクスの基礎と測定方法」の記事で詳しく解説しています。

植物に必要な2つの光の指標|光飽和点と光補償点とは?

野菜の「適切な光量」を判断するキーワードがこちらの2つ。

光補償点

最低限必要な光量
これより少ないと光合成ができず、枯れていく

光飽和点

それ以上、光を強くしても、光合成量が増えない限界点

これを知らずに強いライトを近づけすぎたり、弱いライトで無理に育てようとすると、うまく育たない原因になります。

光量が不足すると、苗がひょろっと長く伸びる「徒長」が起きやすくなります。
詳しい原因と改善方法は、「室内栽培での徒長の原因と対策」をみてくださいね。

【保存版】光量別おすすめ野菜リスト あなたのライトに合う野菜は?

🌱強い光が必要な野菜(40,000〜70,000 lux)

野菜光飽和点光補償点
ミニトマト70,000 lux3,000 lux
カブ55,000 lux不明
ダイコン50,000 lux不明
オクラ50,000 lux15,000 lux
キュウリ40,000 〜 60,000 lux1,000 lux
ナス40,000 lux2,000 lux
ニンジン40,000 lux2,500 lux
キャベツ40,000 lux2,000 lux

▶︎おすすめの使い方
→ LEDライトの中でも出力の強いもの(20,000〜40,000 lux以上)を近距離に設置
→ ルクスメーターで照度を測定して調整必須

強光を長時間あてると植物はよく育ちますが、その一方で容器内で藻が発生しやすくなります。
発生原因や防ぎ方は、「水耕栽培での藻の原因と対策」を参考にしてください。

🌱中程度の光で育つ野菜(25,000〜40,000 lux)

野菜光飽和点光補償点
レタス40,000 lux1,500 〜 2,000 lux
トウガラシ30,000 lux1,500 lux
コマツナ25,000 〜 85,000 lux不明
バジル25,000 lux不明
いちご25,000 lux2,000 lux
ネギ25,000 lux不明
ホウレンソウ25,000 lux1,500 lux
ロケット(ルッコラ)20,000 〜 30,000 lux1,000 lux
コリアンダー(パクチー)20,000 〜 30,000 lux1,500 lux

▶︎おすすめの使い方
→ トマト用のライトから少し距離を離す or 出力控えめなライトを使用 → 幅広い野菜を同時に育てたい方におすすめ

私はルッコラがお気に入りで、ベビーリーフと一緒にサラダに混ぜたくて、よく育てています。

🌱比較的弱い光でも育つ野菜(〜25,000 lux)

野菜光飽和点光補償点
シソ20,000 lux不明
クレソン20,000 〜 25,000 lux300 〜 500 lux
ミツバ(三つ葉)10,000 〜 15,000 lux300 〜 500 lux
イタリアンパセリ20,000 〜 25,000 lux500 lux
レモンバーム20,000 lux500 〜 1,000 lux
セリ15,000 〜 20,000 lux500 〜 1,000 lux

▶︎おすすめの使い方
→ LEDライトから距離をとって置く/間接照明に近い明るさでもOK → スペースの隙間で育てたい人にぴったり

比較的光量が控えめでも育つものの中にはハーブ系が多く、室内向きの種類がたくさんあります。
日光が入る窓があれば、ハーブだけ窓際で育てるのも良いですよね。
もちろん「虫が苦手で土を使いたくない」方にとって、水耕+LED+香味野菜の組み合わせはおすすめです。

このように「野菜」「ハーブ」それぞれに合った光量を知っておくと、限られたスペースでも無理なく栽培ができます。

効率よく育てるコツ「ルクスメーターとライトの距離調整」

うちで一番つよいLEDライトの下。ミニきゅうりと矮性ミニトマト、空芯菜など色々。

私自身、矮性ミニトマト「マンマミーア」やミニきゅうりなどを完全室内で育てていますが、ルクスメーターは欠かせません。

  • ミニトマトやきゅうりには、最大出力のライト(30,000〜40,000lux)を10〜15cmの距離で
  • レタス系には、同じライトでも20〜30cmほど距離をとって照度を下げる
  • シソやバジルなどは、サイド光や棚下の少し弱い光でも十分

といった感じで、野菜ごとに最適な光量ゾーンを作るようにしています。

光量の調整と同じくらい重要なのが、肥料濃度(EC)の管理です。
特にミニトマトは成長段階ごとの調整が必要で、「水耕栽培ミニトマトのEC管理方法」に詳しくまとめました。

スペースが狭くても大丈夫!光量を味方に室内栽培を楽しもう

12,510 lux なので、もう少し高さを出して置いても良さそうなバジルとサラダ菜

光量管理ができても、室内での栽培には虫の発生リスクもあります。安心して栽培を続けるための方法は、「室内栽培で注意すべき虫と対策」を参考にしてください。

LEDライトの性能が上がり、室内でも多くの野菜が育てられる時代になりました。
ただし「どの野菜にどれくらいの光が必要か」を知っておかないと、せっかくの育成ライトも効果を発揮できません。

  • 野菜ごとに光の必要量(光飽和点・光補償点)が異なる
  • ルクスメーターを使えば、手軽に光量の調整が可能
  • 同じライトでも「距離」を変えるだけで、複数の野菜を効率よく育てられる

これらのポイントを知っていれば、室内栽培は工夫しだいでどんどん楽しく、豊かになります。 まずは、おうちにあるライトとルクスメーターで、身近な野菜から始めてみませんか?

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